免疫系が自分の視神経や脊髄を攻撃してしまい、視力低下や手足マヒなどが生じる視神経脊髄炎スペクトラム障害という疾患があります。10万人あたりの患者数は欧州で約1人、東アジアで約3.5人と少なく、体内で何が起きているか詳しくわかっていません。ほかの自己免疫疾患では生まれながらの遺伝的体質や、免疫系を担う白血球に加齢とともに生じた遺伝子の変化が発症のリスクを高めることが知られています。そこで、大阪大学、九州大学などの研究グループは、遺伝的体質と後天的に生じた白血球の遺伝子の変化の両面から、視神経脊髄炎スペクトラム障害の発症リスクを高める要因を探りました。