がんは遺伝要因と環境要因の相互作用によって発症するといわれます。近年のゲノム医療の発展と次世代シーケンサー技術の進歩などもあり、特定のがん発症リスクと関連する遺伝子の病的バリアントを生まれつき持つ方を特定することが可能となってきました。これにより、その人の遺伝的体質に合わせた予防、早期発見、治療などを個別に提供する個別化医療への応用が期待されています。
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研究成果のご紹介
2025 がん
2025 がん
がんは遺伝要因と環境要因の相互作用によって発症するといわれます。近年のゲノム医療の発展と次世代シーケンサー技術の進歩などもあり、特定のがん発症リスクと関連する遺伝子の病的バリアントを生まれつき持つ方を特定することが可能となってきました。これにより、その人の遺伝的体質に合わせた予防、早期発見、治療などを個別に提供する個別化医療への応用が期待されています。
2025 がん
2025 がん
男性では、加齢や喫煙により、細胞分裂の過程で一部の細胞でY染色体が失われることが比較的多くみられ、70代では約40%に生じるといわれています。この現象は一部の細胞のみに起こるため、正常な細胞とY染色体の喪失が生じた細胞が体内に混在(=モザイク状)する「Y染色体モザイク喪失(mLOY)」と呼ばれています。mLOYの状態は、がん、心疾患、アルツハイマー病などの発症リスクを高める要因になっていることがわかっています。このうち、がん患者ではmLOYの発生頻度が高いことが知られていましたが、それががんそのものに起因するのか、あるいは治療の影響なのかは明らかになっていませんでした。
2024 がん その他
2024 がん その他
腫瘍抑制遺伝子は、細胞の増殖を抑えたり異常を修復・排除することで、がんの発生を防ぐ「ブレーキ役」として働きます。PTEN遺伝子もその一つで、この遺伝子に生まれつきの病的バリアントがあると、高い多発性がん発症リスクを特徴とする「PTEN過誤腫症候群(PHTS)」と呼ばれる遺伝性疾患を発症するリスクが高まります。
2024 がん
2024 がん
肺がんは、たばこを吸うことが一番の原因とされていますが、実は肺がん患者の約4人に1人は、たばこを一度も吸ったことがない非喫煙者です。特に東アジアに住む非喫煙者の女性では、肺がんのタイプの一つである肺腺がんになる人の割合が高く、EGFRという遺伝子に変異が起きると、肺腺がんが生じやすくなることが以前から知られていました。EGFRは、細胞の表面にあるタンパク質の一種で、細胞が増えたり、古くなった細胞が自然に死んだりするのをコントロールしています。
2024 がん
2024 がん
ゲノムDNA上で大腸がんの発症にかかわる遺伝領域は200ほど報告されていますが、その多くは遺伝子ではなく、ほかの遺伝子の発現を調節している領域と推測されています。しかし、どのような遺伝子を介して発症に関与しているのかはよくわかっていません。米国バンダービルド大学などの国際共同研究グループは、東アジア系(27%)と欧州系(73%)の大腸がん患者約10万人と対照群約15万人のデータによるゲノムワイド関連解析(GWAS)データを使って、詳細な解析を行いました。
2024 がん その他
2024 がん その他
飲酒行動(飲む習慣や量)は、遺伝の影響も受けています。すでにアルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)という遺伝子の関連がわかっていましたが、別の遺伝子が組み合わさることで、本来はお酒に弱いのに飲むタイプになることや、食道がんのリスクが高まることが新たにわかりました。
2023 がん
2023 がん
肺腺がんは日本人の肺がんの中で最も発症頻度が高く、またその死亡率も全がん種の中で最も高い疾患です。一般的に肺がんは喫煙などの環境要因が発がんに強く関連することが知られています。しかし肺腺がんでは、全患者の約半数が非喫煙者で、特に女性や若年層で喫煙と関係なく発症するケースが比較的多いことが報告されています。また日本人の肺腺がん患者の約半数がEGFR遺伝子に変異を持つ(欧米系では10%程度)など、日本人の肺腺がん発症リスクに遺伝的な要因が関わることが明らかになってきています。
2023 がん
2023 がん
がんになるリスクは遺伝要因と環境要因に分けられますが、前立腺がんは、さまざまながんの中でも遺伝要因がかかわる割合が最も大きいことが知られています。理化学研究所、静岡県立病院などの研究グループは、前立腺がんの遺伝要因として、男性ホルモンのアンドロゲンが遺伝子のスイッチを入れるときにかかわる領域が大きく関与していること、また発症前でも、将来的な前立腺がんによる死亡リスクを予測することに、ポリジェニックリスクスコアという指数が役立つことを明らかにしました。
2023 がん
2023 がん
肺がんは、部位別に見たがんによる死亡数が第1位で、日本では年間に約76,000人が亡くなっています。肺がんの中でも肺腺がんは、肺がん全体の半数程度と最も発症頻度が高く、増加傾向にあります。しかし、肺腺がんは肺がんの危険因子である喫煙との関連が比較的弱く、肺腺がんの患者の約半数は非喫煙者です。
2023 がん
2023 がん
ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)感染は、胃がんの原因として広く知られています。胃がんの原因には、ピロリ菌感染による環境要因のほかに、遺伝要因も知られていますが、遺伝要因と環境要因を大規模に統合した胃がんのリスクに関する研究はこれまで行われていませんでした。
2023 がん
2023 がん
理化学研究所、北海道大学などの研究グループによる、バイオバンク・ジャパンと北海道大学病院で集められた胆道がん患者さんの試料を使った研究から、胆道がんの発症リスクを高めるような遺伝子の変化が複数、見つかりました。見つかった変化の多くは、 DNAの傷を修復する仕組み(DNA修復機構)に関わる遺伝子のなかで起きており、 DNA修復機構がうまく働かないことが胆道がんの発生に関与していることがわかりました。
2022 がん
2022 がん
理化学研究所、愛知県がんセンターなどの研究グループは、バイオバンク・ジャパンが集めた悪性リンパ腫の患者さん2,066人、がんではない人の38,153人の血液からのDNAを解析しました。これは世界最大規模の解析研究になります。その結果、4つの遺伝子にある個人差が悪性リンパ腫の発症とかかわりが強いこと、特にある特定の悪性リンパ腫では、遺伝子のなかのたった1カ所の違いが発症の原因となる単一遺伝子疾患型である可能性が示されました。
2022 がん
2022 がん
大腸がんでは、患者さんの約20%に親族にも大腸がんや、ほかのがんの患者さんが見られ、遺伝性の強いがんであると考えられています。大腸がんと関連の強い遺伝子の病的バリアントをもつかどうかを調べる遺伝子検査はありますが、欧米系集団のデータを基にしているため、日本人のデータに基づいた解析が必要とされていました。
2022 がん
2022 がん
日本では年間3万人が腎がんを発症しています。そして、患者さんの約5%は遺伝性と考えられています。腎がん発症にかかわる遺伝子に関する研究は、これまで欧米のデータを使ったものがほとんどでした。理化学研究所、国立がん研究センターなどの研究グループは、バイオバンク・ジャパン(BBJ)、秋田大学、京都大学が集めた腎がん患者さん1,532人とBBJ に登録された腎がんの患者ではない5,996人のデータを解析しました。
2022 がん
2022 がん
がんは、遺伝と環境の両要因により発症すると考えられていますが、一部のがんはゲノム配列上のたった1カ所の配列の違いにより発症リスクが大きく上昇することが知られています。その原因遺伝子としてBRCA1・BRCA2の2つの遺伝子(BRCA1/2遺伝子)があり、これらの遺伝子に病的バリアントが存在すると、乳がんは約10倍、卵巣がんは数十倍ほど発症しやすくなります。